「アフガニスタンの料理」四方を文化的な大国にぐるりと囲まれた料理

アフガニスタン料理

アフガニスタン料理の概要

アフガニスタンは古代から文明の交差点と言われてきました。そんなアフガニスタンの料理とは何でしょうか?

それは、遠くの国や周辺の国々で見かける料理があちこちで見られるというものです。

アフガニスタンという国の成り立ち

アフガニスタン料理の説明をする前に、アフガニスタンという国の成り立ちを説明しなければなりません。

アフガニスタンは元々隣のペルシャ(現イラン)の一部でした。

その後は独立しましたが、当時は周辺の国との国境線はあいまいな状態でおかれました。アフガニスタンは元々一つの民族の国ではなく、国境をまたいで遊牧する多くの民族のテリトリーが入り乱れている国であったからです。

近代になりイギリスによって国境線を確定されます。

しかしそこでイギリスは民族どうしの団結を防ぎ反乱防止を容易にするため、民族のテリトリーを分断するような形で国境を引いてしまいました。現代のアフガニスタンはある意味イギリスによる人工的な国家と言えるでしょう。

民族間で共通の料理が多い

この歴史を見ると、アフガニスタンの料理は各民族ごとにバラバラではないかと思われますが、実は意外にも全国単位で共通している料理が多いのです。

その理由は国土の全域が山がちで、各民族の居住地はアフガニスタンのどこへいっても似たり寄ったりな地形や風土になっているからです。

それゆえどの民族も同じような料理が見られるのです。加えて牧畜が盛んであり、急斜面が多く険しい国土では飼育できる畜獣の種類は限られているからです。

アフガニスタン料理の分類

では具体的にアフガニスタンの料理とはどんな物なのでしょうか?

アフガニスタンは中央アジアとパキスタン、イラン、中国に接しています。

すなわち四方を文化的な大国にぐるりと囲まれた国なのです。アフガニスタン独自の文化力は弱く、それゆえ周辺大国の持つ料理文化の影響を強く受けて生まれたのがアフガニスタン料理です。

その料理文化のルーツは主に四つに分けられるでしょう。

第一には西からのペルシャ文化のイラン料理。
第二に東からのパキスタンとその隣のインド料理。
第三にシルクロード経由で入ってきた中央アジアや中国の料理。
そして第四に、これに加えてムスリム国家共通の厳格なムスリム料理。

これら四種類のルーツを持つ料理がアフガニスタンでは食べることが出来るのです。

アフガニスタン料理の食材

アフガニスタン料理の食材は何でしょうか?

主に農作物と乳製品から成り立つのが特徴ですが、これらの食材にはアフガニスタンの国土の特徴がよく現れているものと、現れていないものがあるのです。

農作物

アフガニスタンは平地が少なく、農業は盛んではありません。

しかしながら意外にも野菜や小麦粉が食材として広く使われています。狭い平地を有効活用しており、また個人の小さな畑も数多くあるからです。

まず小麦はインドからイランにかけて共通の食べ物であるナンの原材料で、各所で頻繁に小麦粉にお目にかかれます。

一方野菜に関しては周辺の国より量が多く、アフガニスタンの市場では頻繁にお目にかかることが多いです。とくに中央アジア方面と比べると野菜の量が格別に違います。

乳製品

全国単位で牧畜が盛んなことから乳製品も多く食材に使われます。とくにヨーグルトは至る所で和え物として使われています。

魚介類

アフガニスタンでは魚介類は食材にはあまり使われません。その理由は海のない内陸国であるためで、特に海の魚料理はほとんど見かけないと言われています。

アフガニスタンの料理

では、アフガニスタンの料理は具体的に何でしょうか。主食、野菜、乳製品に分けて見ていきましょう

アフガニスタンの主食は、ナンを筆頭にパロウ、アシュ、ボラニの四種類があります。

アフガニスタンは野菜が周辺の国に比べて多く食されています。

食卓には日本と同じように大根やキュウリやトマト、またレタスのつけ合わせなどが上がります。これらはアフガニスタンではロシア風にサラタとか、あるいはパキスタン風にサブジと呼ばれています。

数多い野菜料理の中で、ボラニ(主食のボラニとは綴りが違います)とトルシーはアフガニスタンらしいおもむきのある料理です。

ナン

インドからパキスタン、アフガニスタンを経てイランの一帯にかけては、ナンというパンの一種が主食として食されています。

小麦粉を薄くのばして焼いたもので、ナンはインドでは平べったい形で、イラン方面では細長く伸ばした形をしています。

アフガニスタンでは両方の影響を受けて、平べったいものから長いものまで様々な形のナンが食されています。アフガニスタンでは日本人の炊飯器や電子レンジのような感覚で、どこの家でもナンを焼くための窯があります。

パロウ

アフガニスタンではパロウという米料理も食べられています。

パロウはタマネギやトマトなどと炊き込んで食されている料理で、イラン風・ウイグル風・ウズベキスタン風に分類されています。

アフガニスタンでは文明の交差点らしく、この三種類のどれもお目にかかることが出来ます。

アシュ

イランからアフガニスタンにかけて共通で食されている麺料理です。スパゲティーのような小麦粉の麺をゆでて、ヨーグルトやスープを加えたものです。

ボラニ

練った小麦粉にゆでたジャガイモを入れ、ナンのように伸ばして焼いたものです。インドのアルパロタという料理の影響を受けているといわれています。

ボラニ

前述の通り、主食のボラニとは綴りが異なります。野菜とヨーグルトの組み合わせで作る料理で、焼きナスをヨーグルトで和えたり、ジャガイモにヨーグルトを和えたりなど多数のバリエーションがあります。

トルシー

トルシーは酢を使った漬け物料理です。アフガニスタンからイラン・中東を経てエジプトにかけての極めて広い地帯で共通して見られる料理です。

アシャック

アフガニスタンの主要な一次産業は牧畜です。

乳製品はあらゆる料理のトッピングや和え物などとして使われていますが、その中でもアシャックが代表的なものとして挙げられます。

アシャックとはワンタンを作り、野菜を包み、後述のクルトとヨーグルト、ミートソースなどをかけて食べる料理で、中国経由のシルクロードのおもむきがある料理です。

パーイとクルト

なお乳製品は単独の料理でも使われています。主な物としてパーイ・クルトの二つがあります。

パーイとは一般的なヨーグルトのアフガニスタン風の呼び名ですが、クルトとは羊の乳から取ったヨーグルトをバター分をなくした後に丸く広げて乾燥させたもので、保存用食料として使われます。

クルトに再び水やヨーグルトを加えて戻したものはアシャックに使われます。

クルトは中央アジア方面の国々と共通している食料です。

コメント