アルジェリア料理の概要
北アフリカに位置する、アルジェリア民主人民共和国。アフリカ大陸の中でもっとも広い国土を持つ、イスラム国家です。
そんなアルジェリアは北部が地中海に面していることに加え、チュニジアやリビア、モロッコなどの国境とも面しているため、食文化が多様なことでも知られています。
また、フランスの植民地であったという歴史もあることから、首都であるアルジェを中心とした地域ではフランス料理の影響を受けた食べ物も豊富なんです。
アルジェリアで主食として食べられているのは、パン。
バゲットをはじめとした、ハード系のパンをメインにさまざまなパンが食べられています。
また、朝ご飯にはオートミールやコーンフレーク、グラノーラなどもよく登場します。
メインの主菜としては肉料理はもちろんのこと、魚料理も食べられています。
ただし、アルジェリアはイスラム教を国教としている国ですので、イスラム教の禁忌である豚肉はもちろん食べられていません。豚肉の代わりに、ラムやマトンのほか、ビーフ、チキンなどが好んで食べられています。
また、アルジェリア料理に欠かせないのがオリーブオイルとクミンシードやカルダモンなどのスパイスです。
これらは、アルジェリアのさまざまな料理に欠かせない食材です。
よく使われる食材
パン
アルジェリア料理に欠かせないのが、パンです。主食として親しまれており、特にバゲットはよく食べられています。
アルジェリアはフランス領だったという歴史があることから、バゲットのクオリティが高く海外から来た旅行者にも絶大な支持を得ています。
ラムやマトン
アルジェリアの肉料理には、ラムやマトンが頻繁に使われています。先ほどもご説明した通り、アルジェリアはイスラム教国家ですので豚肉は不浄のものとして食べることが禁止されています。
アルジェリア料理によく使われているのが、ラムやマトンです。焼いて食べるのはもちろんのこと、レバーを使ってシチューにしたりすることもあります。
ビーフ
ラムやマトンほどは食べられていませんが、ビーフもアルジェリアではよく使われている食材のひとつです。特に、アルジェリア北部に位置するカビリー地方では、頻繁に使われています。
カビリー地方では、北アフリカ地域一帯の先住民族であるベルベル人が多く暮らしており、彼らの間ではビーフは伝統料理を作るのに欠かせない食材のひとつとなています。
シンプルに串焼きにしたり、煮込み料理にしたりして使います。
魚介類
アルジェリア北部は地中海に面していますので、魚介類もよく使われています。魚はもちろんのこと、エビやタコなどもサラダや煮込み料理に使います。
トマト
国土の広いアルジェリアは、野菜も豊富です。特によく使われているのが、トマトです。
サラダにするほか、ペースト状にしてソースやスープなどにも使います。
ナス
ナスもアルジェリア料理には欠かせない野菜のひとつです。煮込みやスープのほか、ロースト料理やグリル料理にも使われています。
ズッキーニ
ズッキーニもアルジェリアでは頻繁に使われています。サラダやソース、スープなどに用いられることが多いようです。
オリーブオイル
アルジェリアの料理に欠かせないのが、オリーブオイルです。大抵の料理にこのオリーブオイルが使われます。
ガルバンソ
ガルバンソというのは、ひよこ豆のことです。アルジェリアでは、サラダやスープ、煮込み料理などによく使われています。
インゲン豆
ガルバンソと同じくらいよく使われているのが、インゲン豆です。こちらもサラダ、スープ、煮込み料理に使います。
スパイス
アルジェリア料理には、さまざまなスパイスが使われています。クミンシードやカルダモン、チリパウダー、コリアンダーなどが一般的です。
代表的なアルジェリアの料理
クスクス
アルジェリアを代表する料理といえば、このクスクスです。国民食と言われるほど、アルジェリアでは万人に愛されている料理です。
クスクスとは、おおまかに言うとパスタの一種で、細かい粒のような形をしています。原料は、セモリナ粉という小麦粉の一種です。基本的には、茹でて使います。
クスクス自体には味はほとんどありませんので、クスクスの上にソースや肉汁などをかけて食べるのが普通です。
アルジェリアでは家庭やレストランで、さまざまなバリエーションのクスクスが作られており、幅広い世代から人気があります。
チュクチェカ
チュクチェカもアルジェリアを代表する郷土料理のひとつです。
チュクチェカというのは、トマトやズッキーニ、ナス、パプリカなどを具材にした玉子焼きです。決め手となるのは、カルダモンやクミンシードなどのスパイスです。
アルジェリアをはじめ、周辺の国々でも古くから食べられている料理です。
ドルマ
ドルマは、ズッキーニやパプリカ、ナスなどの中身をくりぬき、その中にスパイスなどで味付けした肉を詰めて焼いた料理です。
アルジェリアのほか、アフリカ地域の国々ではよく食べられています。肉の中にガルバンソなどを混ぜる場合もあります。
ハリーラ
ハリーラは、アルジェリアの家庭で古くから親しまれている野菜スープです。メインの具材は、ラム肉である場合が多いようです。
トマトやズッキーニ、ナスなどの野菜のほか、インゲン豆やガルバンソなどの豆類を一緒に煮込みます。最後に、クミンやコリアンダーなどのスパイスを加えれば、優しい味わいのハリーラの完成です。
日本でいうところの味噌汁のようなイメージで、ホッとする味わいです。
タジン
アルジェリアはもちろんのこと、北アフリカで広く親しまれているのがこのタジンです。日本でも「タジン鍋」は有名ですので、ご存じの方もいらっしゃることでしょう。
タジンとは、主にこのタジン鍋を使ってつくる煮込み料理のことです。アルジェリアでは、マトンやラムなどの肉類をメインにして、その中にさまざまな野菜や豆類などを煮込んで作ることが多いようです。
この料理には欠かせないのがタジン鍋ですが、そのデザインはバリエーションがとっても豊かなんです。家庭やレストランによってまったく異なった美しいデザインのタジン鍋を見ることができます。
コメント