「東ティモールの料理」インドネシア、ポルトガル、中国の影響を受ける

東ティモール料理

東ティモール料理の概要

東ティモールは2002年にインドネシアから独立した国です。

この国はインドネシアがオランダによって支配された経緯があるのに対し、実に500年もの間ポルトガルに支配されていた経緯があるため、文化的にも言語的にも、そして地域的にも異なった性格の地域でした。

インドネシア、ポルトガル、中国の影響を受けた食文化

そういった歴史によって長く他のインドネシアの地域とは異なった地域となっており、食文化にも違いがみられていたという特徴があります。

中国などの移民や周囲の東南アジアの影響、そして支配していたポルトガルの影響を色濃く残した料理となっています。

東ティモールの主食

主食はジャワ米(ジャポニカ種の一種、熱帯ジャポニカ種)とトウモロコシですが、これも地域差があり稲作に適した低地では主にジャワ米、稲作に適さない高地ではポルトガル人が導入したトウモロコシを主食としているという傾向があります。

また、米もジャポニカ種の一種であることから日本の白飯のようなイメ―ジを抱かせますが、ボソボソした食感で東南アジアの典型的な米の食感に近い炊飯方法を用いているのです。

東ティモールの食事スタイル

米などの主食を平皿にのせ、副菜で酒食を囲むようにのせるのが東ティモールのスタイルになっており、米にはタレをかけて食べることも少なくありません。

肉類もイスラム教徒が多いインドネシアでは禁忌である豚肉を食べる習慣があり(それでも一部の国内のイスラム教徒は忌避する)、水牛も時に食卓に並びます。

中国からの移民(主に福建省にルーツを持つ客家)もいるため、彼らの影響もあり、麺料理なども盛んに食べられています。

ただ、そうは言っても元々インドネシアの一部であったためインドネシア料理の影響を多分に受けており、気候も多くのインドネシアの地域と共通しているところもあることから、インドネシア料理と混同される場合もあるくらい似た部分があるのも事実です。

外食の習慣が少ない

食事のタイミングは日本などと同じく一日三食ですが、昼に関しては就業者であっても一度家に帰って家族でご飯を食べる習慣があり、外食の習慣がないという点は屋台など外食が盛んな他の東南アジアとは異なった習慣と言えます。

食堂のような飲食店もありますが、基本的に外国人向けのお店となっており、ハンバーガーのファーストフード、インドカレーやタイ料理、韓国料理と言ったレパートリーの広いものです。

現地人が利用するお店は東ティモール料理が供されワルンと呼ばれて区別されています(ワルンも外国人の利用は可能です)。

また、補足として現在も調理のための火力の90%は木材による燃料を用いています。

よく使われる食材

米、トウモロコシ

一般に、米とトウモロコシは東ティモールの主食となっています。また、自足のためにサツマイモや東南アジア特有のキャッサバも栽培され食事に用いられます。

また、これ以外にも様々な食材が栽培されピーナッツ、サゴ(サゴヤシから採れるでんぷん、パンケーキなどにする)、サトイモ、ジャガイモ、パンノキ(ジャガイモのように利用される果実)、キャベツやソルガム(イネ科の雑穀)、カボチャなどが代表的です。

フルーツ

フルーツは豊富で、ジャックフルーツ(バラミツ、黄色い果肉のフルーツ)、メロン、マンゴー、バナナが主なフルーツとして挙げられます。

このように東南アジアの農作物の典型的な特徴を持っています。

魚類

魚は主に海水魚が用いられ、淡水魚はあまり食べられません。

イワシが最も使われる食材として挙げられ、このほかマグロ、サバ、フエダイがあります。
他にはエビやカニ等も食べられます。

ただ、輸送網が発達していなかった頃の食習慣が現在も続いているため、東ティモールの内陸部ではほとんどこれらの食材は食べられません(ある調査では内陸部は海岸部の1/4以下の年間摂取量)。

内陸部では加工された乾物、塩漬けなどの形で食されることが多いです。近年では輸送方法の発達により、内陸であっても冷凍魚などの形で販売されるようになった点や海外の魚介類も同様の方法で東ティモール国内に流通するようになりました。

肉類

肉類は最も一般的な鶏肉は他にも、豚肉、あまりメジャーではありませんが、水牛やヤギ、犬などを食べています。

基本的に肉類はお祝いや式典などの特別な行事のために用いられることが多く、他の東南アジアの地域に比べるとやや少なめです。

これ以外に食材ではありませんが、調理のためにバナナの葉を使うのも特徴です。

代表的な東ティモール料理

東ティモ―ル料理は冒頭のようにインドネシアや周辺の東南アジア、ポルトガル、そして中国の料理の影響を受けています。

ミアヤム

ミアヤムはミは麺を、アヤムは鶏を意味する東ティモール風の鶏うどんのような中華料理の影響を受けた麺類です。

うどんのように太い麺の上に葉物野菜や鶏肉などを刻んで炒めたものが乗っており、それを一緒に食べるというスタイルで、東ティモールではよく食べられており、同様の料理はインドネシア料理にも存在します。

ミーゴレン

この他麺料理ではミーゴレン(東南アジア風の焼きそば)と言った東南なアジアで頻繁に食べられている焼きそばもよく食べられます。

ナシゴレン

米料理はそのまま炊飯して白飯として食べられるほか、ナシゴレン(東南アジア風焼き飯)にするケースもあります。

タパイ

タパイは、少しスパイシーな味わいの発酵したわずかにアルコールの多い米料理でお酒と発酵食品の中間的な料理です。液体にして壺酒にすることもあれば、塊を葉で包んで食べたり、デザートに入れたりします。

イカンペペス

魚料理はイカンペペスが有名です。これは魚をスパイスと一緒にバナナの葉などに包んで蒸し焼きにした料理で、イカンは魚、ペペスはバナナの葉の調理方法を示します。

イワシのグリル

この他、ポルトガルの伝統料理であるイワシのグリルなどもあれば、現地ではマグロをステーキにすることもあります。これらはチリソースなどが用いられポルトガルの影響を受けています。

エッグタルト

デザートは、エッグタルトが有名です。これはマカオなど他のポルトガル領だったエリアでも見られるお菓子ですが、この東ティモールでも盛んにつくられています。

ココナッツケーキ、コーヒー

バナナの葉で焼いたココナッツケーキもあります。また、コーヒーの産地としても力を入れているため、コーヒーが供されることも少なくありません。

タパイ、パームワイン、パームブランデー

アルコールは先ほどお話ししたタパイの他、ヤシで作ったパームワイン、パームブランデーなども有名です。キャッサバから作られたビールも知られています。

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