エクアドル料理の概要
赤道直下の国、エクアドル。ガラパゴス諸島やアンデス山脈、アマゾン川を有するこの国には、メスティーソ(白人とインディオの混血人種)やインディオを筆頭に多様な人種が暮らしています。
そんなエクアドル人の主食は、地域によって異なっています。海岸地方で主に食べられているのは、バナナ。アンデス地方では、米やトウモロコシが主食です。
バナナは食材として使われることも多く、主食からデザートまでさまざまな料理に使われます。主菜は肉料理がメインですが、海岸地方ではシーフードなども頻繁に食べられています。
フライ料理やトウガラシが効いた辛めの料理が多いのも、エクアドル料理の特徴のひとつです。
よく使われる食材
バナナ
エクアドルのバナナ生産量は、世界一。
40種類以上ものバナナが生産されており、海岸地方では主食として欠かせないものとなっています。
日本で一般的な甘みのあるフルーツバナナももちろんありますが、エクアドルで主食に用いられているのは甘みのない調理用のバナナ(プランテンバナナなど)です。
フライにしたり、団子状にしたものの中に具材を詰めたりして食べます。
キャッサバイモ
タピオカの原料として、日本でも有名になったキャッサバイモ。
エクアドルでは、フライにしたり茹でたりしたものが肉料理の付け合わせとしてよく登場します。
肉類
ビーフやポーク、チキン、ラムなどが好んで使われます。煮込み料理やローストにすることが多いようです。
アンデス地方では、クイ(テンジクネズミ)の丸焼きやリャマ、アルパカなども伝統的に食べられています。
豆類
豆類もエクアドルでよく使われている食材のひとつです。付け合わせやスープなどの具材として、頻繁に登場します。
ココナッツ
ココナッツもスープや煮込み料理などによく使われています。ココナッツを加えると、まろやかでコクのある味わいの料理になります。
アボカド
スープのほか、ディップなどにも使われています。
代表的なエクアドルの料理
トストーネス(パタコン、パタコーネス)
エクアドルの海岸地方で主食として親しまれているのが、このトストーネスです。調理用のバナナを薄切りにし、フライにしたものです。
基本的には、2度揚げします。揚げたものには塩を振ったり、ソースをつけたりしてから食べます。パタコンやパタコーネスとも呼ばれています。
ボロン
ボロンは、エクアドルの海岸地方では定番の朝食メニューのひとつです。一見すると、真ん丸の大きなコロッケのようですが、実は調理用バナナで作られています。
調理用バナナを団子状にした生地の中に、ミンチや野菜、チーズなどを入れてフライにしたものです。
パパス・フリータス
エクアドル風のフライドポテトです。肉料理などの付け合わせとして、欠かせない料理のひとつです。
セビチェ(セビッチェ、セビーチェ)
エクアドルの郷土料理と言われて、まず真っ先に名前が挙がるのがこのセビチェです。
セビッチェやセビーチェとも呼ばれます。
ラテンアメリカで一般的に「セビチェ」と呼ばれているものは大抵シーフードのマリネなのですが、エクアドルではトマトをベースにしたシーフードスープのような感じです。
大抵はレモン汁をかけて食べます。ポップコーンが添えられていることもよくあります。
ロクロ
ロクロは、エクアドルをはじめ、アンデス地方で親しまれている郷土料理のひとつです。じゃがいもやかぼちゃ、豆、トウモロコシ、ビーフ、ラム、タマネギなどをじっくりと煮込んで作る、クリーミーなシチュー料理です。
とっても濃厚なので、身体が芯から温まる料理です。アボカドのスライスやチーズなどをトッピングすることもあります。
アンデス地方の貴重な栄養源となっています。
ジャピンガチョス
エクアドルのマーケットなどでよく売られているのが、このジャピンガチョスです。
チーズをマッシュポテトの中に入れて丸めて焼いたもので、サイズ感が小さく食べやすい上、お値段もお手頃なのでおやつ感覚で食べられている郷土料理です。
このままでも食べられますが、ライスや主菜を添えてワンプレート料理としても頻繁に食べられています。
ミートボールよりも少し大きめくらいのサイズ感で、パクパク食べられてしまいます。
ロクロ・デ・ケソ
ロクロ・デ・ケソは、アボカドとチーズ、じゃがいもなどを入れて作る、濃厚なシチュー料理です。
先ほどご紹介した、ロクロのアレンジメニューのようなもので、エクアドルではロクロと同じくらい大人気のメニューです。
ロクロよりもクリーミーでまろやかな味わいで、特にアンデス地方で愛されています。
セコ・デ・ポロ
タマネギとチキンをことことと煮込んだものとライスを一緒に食べる料理が、セコ・デ・ポロです。
セコ・デ・ポロは、日本語に訳すと「そのままの鶏肉」というような意味。名前の通りチキン本来の旨味を存分に味わえる、シンプルな料理です。
クミンやチリパウダーなどのスパイスを効かせるのが、セコ・デ・ポロを現地の味に近づけるコツです。
キンボリート
キンボリートは、エクアドルでよく食べられているやさしい味わいの蒸しパンです。ふわふわとした食感がなんとも言えない美味しい料理です。
やさしい甘みがあるので、おやつ感覚で食べられています。
アヒー
アヒーは、トウガラシベースのソースです。このソースをさまざまな料理にかけて食べるのが、エクアドル流です。
トウガラシとタマリロというフルーツ、コリアンダー、タマネギなどを加えて作る、辛くてフルーティーなソースです。
ウミータ
ウミータは、エクアドルだけでなくラテンアメリカ各国で食べられている伝統的な郷土料理のひとつです。
トウモロコシのペーストにクリームチーズやバター、クミンなどのスパイスを加え、蒸した料理です。エクアドルでは、トウモロコシの葉に包んだウミータがスーパーなどでも売られています。
そのまま食べても美味しいのですが、先ほどご紹介したアヒーというスパイシーなソースをつけると更に美味しさが増します。
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