「エストニアの料理」歩んできた歴史が濃縮された料理

エストニア料理

エストニア料理の概要

エストニアはヨーロッパでも北のほうに位置し、北欧の国々に含まれるバルト海に面した小さな国です。

南北に並ぶラトビア、リトアニアとあわせてバルト三国と呼ばれます。そんなエストニアにある料理とはいったい何かをお伝えしましょう。

エストニアとはどんな国でしょうか?

エストニアとはロシアとバルト海に挟まれたバルト三国の一つで、三国の内で一番北に位置している小さな国です。

先住民の時代を経て、14世紀頃にエストニアにはドイツ人の商人が多数住み着いて、巨大な商業都市が造られて繁栄しました。

その後17世紀にはスウェーデンの領土となり、18世紀にはロシアの領土となりました。

ドイツの影響を強く受けたエストニア

このように様々な国に占領されたことがあるため、エストニアはロシア、スウェーデン、ドイツの影響を受けているわけです。

しかしその中でもドイツは距離が離れているにも関わらずエストニアに強い影響を及ぼしています。それはエストニアにおいて、ドイツ商人は各国の軍隊の占領下でもエストニア領主として君臨することを認められて支配を許されていたからです。

エストニア料理は隣り合うフィンランドやスウェーデンなどの北欧の料理だけではなく、全体的に見てドイツの料理の影響を強く受けている国でもあります。

エストニア料理の特徴

エストニアは北欧の小さな国です。しかしながらその料理文化は周辺の北欧の国のように、単に地理的な条件がもたらすものではありません。

すなわち気候や、隣接する国の料理文化、またバルト海がもたらす魚介類だけではなく、歴史的経緯からドイツの料理文化が全体を覆っている国です。

このように、小国なのに周辺国と違った独特の料理を味わえるという点がエストニアの料理の特徴と言えましょう。

エストニア料理にはエストニアの風土や地理だけではなく、エストニアの歩んできた歴史が濃縮されていると言えるでしょう。

エストニア料理の食材

エストニアはバルト海に面しています。つまり漁業国でもあります。バルト海は寒冷な海であるため、寒さに適した魚であるニシンやイワシがたくさん取れます。

そのためエストニアの食卓にはニシンやイワシ料理が常に載せられています。これらはエストニア国民の主食となっています。

ニシンやイワシはエストニアだけではなく他のバルト三国や北欧、ドイツ、デンマーク、オランダなどでも共通の食材になっております。

じゃがいも

エストニアはヨーロッパでも北の方にあり、寒い地方に当たります。そのため、米はもちろんのこと、パンの原料になる麦さえもあまり栽培できない地方があります。そのような場所で農業に適しているのはじゃがいもです。

じゃがいもは気温が低くやせた貧しい土地でも力強く成長するため、エストニアでは多く栽培されて食材として使われています。

肉や乳製品

エストニアでは前述のように農業は振るいませんが、その代わり牧畜が盛んです。主に牛と豚が飼育され、肉や牛乳が食材として使われています。

エストニアの料理

そのような食材の特徴を持つエストニアの料理とは具体的にどんなものがあるでしょうか?

黒パン

欧米圏の主食はパンですが、エストニアでは黒パンという、文字通り黒っぽい感じのパンが出てきます。このパンは別名レイブともいわれるライ麦パンです。

味はすっぱく、エストニア人以外では人を選ぶ味と言われています。しかし、この黒パンと豚肉料理の組み合わせは格別の味とされています。

ニシンのサンドイッチ

レイブの上に生魚のニシンを載せて挟んだサンドイッチです。

日本では考えられない食材の組み合わせですが、ライ麦パンと魚を同時に食べる料理であるため、栄養素をきわめて効率よく取れることができます。

豚肉の煮こごり(シュルト)

エストニアをはじめ、北欧全体でメジャーな豚肉料理です。

冷蔵庫で肉の保存が出来なかった時代にも、冬場の北欧は寒いために野外に放置しても腐らずに肉の保存がある程度可能でした。特に用いられた保存方法が、ゼラチン質の多い肉の煮こごり製造です。

エストニアではシュルトといい、豚の頭を煮こごりにした料理が出されます。エストニアの人々はこれを食べて、農作物の取れない時期の栄養素を十分にとることで冬場を乗り切りました。

ヘルネスップ

豆がたくさん入った赤みのある熱々のスープです。エストニアの冬は寒いため、これを飲んで体を温めます。ベーコンなども入れられます。

ポテトサラダ

じゃがいも作りが盛んな北欧で共通して見られる料理です。

ビール

伝統的にエストニアはドイツ人の文化を強く受け継いでいます。そのため酒はドイツ風のビールが食卓によく上がってきます。

乳製品

ヨーグルトやチーズなど、どこでも見られる乳製品の他に、エストニアによく見られるのがケーフィルとハプコールです。

ケーフィルはヨーグルトとは発酵度が異なり、サワーミルクのような感じの乳製品です。ハプコールも同じくサワーミルクの一種で、あらゆる食べ物に混ぜられて食されています

一方チーズ類にはコフピームというのがよく見られます。コテージチーズのようなチーズであり、主にパーティーなどのケーキに使われています

デザート

エストニアのデザートの食べ方で有名なのが「カマ」を混ぜることです。カマは日本のきな粉にそっくりの外観をしており、また味もきな粉に実によく似ています

カマはさまざまな穀物をすりつぶして粉状にしたもので、前述のケーフィルなどに混ぜて食するのが一般的になっています。

クリスマスの伝統料理

エストニアではクリスマスの日には伝統的に出される料理があります。

ヴェリ・ヴォルストと呼ばれる血のソーセージ、豚やガチョウをローストにした物、豚の塩漬け料理、さらにキャベツの塩漬けやオーブンで焼いたじゃがいもなどがです。

エストニアの家庭では昔からこれを食しながらクリスマスを過ごしました。

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