「エチオピアの料理」インジェラという主食を食べる

アフリカ料理

エチオピアの料理の概要

エチオピアに行ったことのあるほとんどの人の印象に残るのが、「インジェラ」という主食でしょう。これは、「テフ」というイネ科の植物の実を粉にしたものを主原料にして、発酵させた生地をクレープのように丸い形に焼いたものです。

色は灰褐色で、クレープより厚みがあります。また、生地を発酵させてあるため、気泡が多く含まれています。見た目があまりよくないのと、やや酸味があるのとで、現地在住の日本人や旅行者の間でも、好き嫌いが分かれるところです。

よく使われる食材

肉類

エチオピアでは、魚より肉がよく食べられています。

肉類はスーパーマーケットでも買うことができますが、牛肉の場合、エチオピアの人は、町のあちこちにある牛肉屋さんを利用する場合が多いようです。

牛肉屋さんには壁や天井から牛肉が吊るしてあり、そこから切り分けて売ってくれます。ただし、衛生管理はあまり徹底されていないようなので、利用には注意が必要です。

鶏肉に関しては、生きたニワトリを買って自分でさばくという方法もあり、現地の人は手慣れた様子で処理していますが、慣れない日本人にはハードルが高いかもしれません。

宗教的なイベントのときや、特別なお客さんを招待したような場合には、生きた羊やヤギを買ってさばいて食べたりもします。

アディスアベバ市内でも、羊やヤギの群れが移動している光景を日常的に見かけます。アパートのような集合住宅には、羊やヤギをさばく専用のスペースが、中庭や駐車場のすみに設けられていたりします。

しかし、羊やヤギの頭部を食べる習慣はないようで、野良犬にでもやっているのか、集合住宅の中庭などにヤギや羊の頭部が転がっているのを見かけるのも珍しいことではありません。

エチオピアの人はどの宗教の人も、原則、豚肉は食べません。アディスアベバ市内でも、豚肉を扱っているスーパーマーケットは、外国人がよく利用するほんの数軒だけです。

生の魚は、湖のすぐ近くの地域くらいでしか手に入りません。スーパーマーケットには、冷凍のナイルパーチなどが売られていますが、肉に比べると割高感が否めません。

野菜

トマト、きゅうり、タマネギ、ジャガイモ、キャベツ、ビーツなどが、よく食べられているようです。オクラも食べられています。

果物

季節にもよりますが、マンゴー、アボカド、パパイヤ、バナナなどが、出回っています。リンゴもありますが、輸入品であるためか、かなり高いです。

香辛料

エチオピアには、「バルバリ」と呼ばれる香辛料があります。唐辛子をメインに、ニンニクや塩などをブレンドしたものですが、家庭によって配合は異なるようです。

代表的なエチオピアの料理

インジェラ

主食であるインジェラは、スーパーマーケットで買うこともできますが、通常は家庭で作られます。

作る頻度は家庭によってまちまちですが、テフの粉を水で溶いて発酵させた生地は、全部使ってしまわずに少しだけ残します。次にインジェラを作るとき、それを「タネ」として新しい生地に入れ、生地を発酵させるためです。

インジェラを焼くときは、かまどのような直火に大きな円形の鉄板のようなものをかけて焼いたり、インジェラ専用の電気のクレープ焼き機のようなもので焼いたりします。

生地は、おたまのようなものですくって、くるくると円をえがくように鉄板の上にたらしていきますが、隙間なく全体が同じ厚さになるようにするには、かなりの経験が必要です。

焼いたインジェラを食べるときには、インジェラ専用のザルのようなものや、おぼんのようなものの上に、まず1枚広げ、その上におかずになる料理をのせ、さらに、料理の横に丸めて短く切ったインジェラを添えてあるという形で供されることが多いです。

その場合は、まず、横に添えてあるインジェラを取って、それをちぎり、そのちぎったインジェラで、おかずになる料理をつまんで食べていきます。

そして、横に添えてあるインジェラがなくなり、おかずも減ってきたら、広げてあるインジェラのふちのほうからちぎって食べ、最後に、中心付近のおかずの味のしみ込んだインジェラを食べます。

インジェラの上にのせられるおかずにはいろいろなものがありますが、ちょっと面白いのは、「味付きのインジェラ」です。

インジェラをおかずに、インジェラを食べるのです。例えて言うなら、チャーハンをおかずにごはんを食べる、とでもいうようなかんじでしょうか。

ワット

インジェラの上によくのっているのが、「ワット」というシチューのような煮込み料理です。

「ワット」には、鶏肉の入った「ドロワット」、牛肉の入った「スガワット」、魚の入った「アサワット」、豆の入った「シロワット」など、何種類もあります。

バイアネット

エチオピア正教を信仰している人が多いエチオピアでは、宗教上の理由で、水曜日と金曜日、そして、クリスマス前の数十日間、肉を食べない「断食」をする人がいます。

そのとき、よく食べられるのが、インジェラの上に肉を使わない料理を何種類かのせた「バイアネット」です。豆のワットや、茹でたビーツやジャガイモなど、数種類のおかずがのっています。

ただ、クリスマス前の断食期間中以外は、インジェラ専門店でも、水曜日と金曜日にしか、メニューにないことがあります。どうしても食べたいときは、曜日を確認してから行ったほうがよいでしょう。

ティブス

エチオピアには、「生肉」を食べる習慣があります。たいていの場合、かなり大きなかたまりの肉がナイフといっしょに出され、自分で少しずつ切り取ってバルバリなどを付けて食べます。が、言うまでもなく、日本人にはおすすめできません。

「ティブス」と呼ばれる、焼いた肉もあります。日本の焼肉のような薄切り肉ではなく、カレー用の肉をもう少し小さくしたような大きさの肉が、タマネギなどといっしょに焼いてあることが多いです。これも、もちろん、インジェラといっしょに食べます。

パスタ

歴史上の理由からイタリアとの関係が深いせいか、スパゲティやマカロニなどのパスタもよく食べられています。

ただし、家庭でもレストランでも、しっかりと茹でられた柔らかいパスタが主流で、アルデンテなどは期待できません。

チマキ

「チマキ」というのは、簡単に言うとミックスジュースのことです。

ふつうのミックスジュースとはちがって、数種類のフルーツを混ぜず、層状にしてグラスに入れてあり見た目もきれいです。

使われるフルーツは、アボカド、パパイヤ、マンゴー、グアバなどで、かなりドロッとした状態なので、「飲み物」というよりは、「食べ物」に近いかもしれません。

もちろん、フレッシュフルーツを使って作ってあるので、現地在住の日本人や旅行者なども、おいしいと思う人が多いようです。

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