「イスラエルの料理」世界中に散らばったためユダヤ人から生まれた

イスラエル料理

イスラエル料理の概要

『イスラエル料理』とは何でしょうか?と尋ねる人は非常に多いです。

そもそもイスラエル料理なるものとは存在するのでしょうか。イスラエル料理とは何なのか、その食材、代表的な料理について述べていきましょう。

イスラエル料理とは何なのか?

実はイスラエル料理というのは今もってその定義について定まっておらず、議論が続いているのです。その理由は、イスラエルの建国の歴史にあります。

イスラエルは20世紀も半ば近くになって建国された新しい国です。

かつてユダヤ人は、古代においてはまさに現在のイスラエルの地に住んでいました。しかし二千年前にローマ帝国によってこの地を追われてしまいます。そして二千年もの間、世界中に散らばって暮らしておりました。

その間にこの地は、ビザンチンからアラブ人のイスラム教徒の居住地になり、千数百年間イスラム文化のもとにおかれます。

20世紀になって、世界中のユダヤ人は自分たちの国を持つことを望むようになりました。その際にはるか古代に住んでいたこの場所に国を作ることを望んだのです。こうして現在のイスラエルが作られたのです。

イスラエルは中東にありながら、周囲のイスラムの国々とはまったく違う、まったく別の民族、文化の国なのです。

ユダヤ教の料理文化

さて、ユダヤ人はユダヤ教を信奉しており、ユダヤ教にのっとったオリジナルの料理文化をもっていました。

しかしユダヤ人は二千年にも渡って世界中に散らばったため、世界各地の料理と食文化を吸収することになったのです。それゆえ、イスラエル料理はまさに世界中の食文化のごった煮状態なのです。

それに加えてイスラエルのある地中海共通の食文化、さらに中東イスラム教徒の食文化というローカルな食文化も混じり合っています。

よってイスラエル料理とは何か?と一言で特徴を定義づけるのはきわめて難しいといえるのです。しかしそれでも、そのルーツによっておおまかに三つに分類できるといえるでしょう。

イスラエル料理の三つの分類

ユダヤ人オリジナルの料理

ユダヤ人はユダヤ教を信奉しております。ユダヤ人とはユダヤ教徒のことであるといわれるほどで、宗教を中心として生活のあらゆる規則が決められています。

ユダヤ教は食材に関しては厳密な決まりがあります。これを「コーシャ」といい、豚や貝などタブーとなる食材や、禁止されている料理法などもあります。

ユダヤ人は世界中に散らばりながらも、周囲の民族に交わらずユダヤ人であることで一体になってきました。そのため、散らばった先の食文化を吸収しながらもコーシャにのっとって料理を作ってきた歴史があります。これがユダヤ人オリジナルの料理です。

このユダヤ人の料理は、アジア・中東風の料理、東欧・ロシア風の料理、アフリカ・南欧風の料理の三つに大きく分かれています。

その理由は、この三つの地域が現代のユダヤ人の主な出身地だからです。

中東共通の料理

現代イスラエル建国前のイスラム教徒がもたらした料理です。これは周辺の中東諸国の料理と共通です。ゴマ料理のタヒーニなどがあげられます。

地中海共通の料理

イスラエルは中東にありながら、ギリシャやイタリアなど同じ地中海の国でもあります。

いわゆる「地中海料理」というジャンルです。そのなかでも魚や野菜料理において地中海らしさが現れているといえます。とくにギリシャの料理と似ている点が多いとされています。

ただし以上のこれらの分類は、きわめて荒っぽい分類であることを強調しておきます。

第一にユダヤ教でもリベラルから原理主義まで幅広いことがあげられます。またイスラエルはかなりの少数民族を抱える国で、それぞれの民族に独自の料理があります。またキリスト教徒など異なる宗教も存在しているためです。

イスラエル料理でよく使われる食材

 肉類

イスラエル料理の食材でまず大事なのは、イスラム系もユダヤ系も豚は使われないと言うことです。

これはさきに述べたように、豚は両宗教とも宗教的にタブーとされているからです。

肉料理では羊が盛んに使われます。羊はかつて古代イスラエルの神殿に捧げられたほどの民族的食材で、今もイスラエルの田舎では羊飼いの姿が多数見られます。

山がちなイスラエルではヤギも多く飼われており、その乳や肉もメジャーな食材となっています。

魚介類

イスラエルは地中海沿岸の国です。ニシン・サーモンやイカなど、海のある国では定番の海の幸が食材となっています。

野菜果物類など

イスラエルの東部と南部は乾燥した砂漠ですが、地中海に近い西部と北部はギリシャやイタリアのような地中海性気候で、雨も降り、農作物も作れます。

ぶどう、トマトやキャベツなど一般的な野菜や果物とともにオリーブなどが食材として使われます。また砂漠地帯ではオアシスに生える椰子など、乾燥地帯特有の食材がとれ、それらも料理に使われます。

代表的なイスラエル料理

フムス

フムスは中東地域全体に共通する料理です。そのためイスラエル独特の料理ではありません。

しかしフムスはイスラエルの国民食と言えるほどに食べられています。

オリーブオイル、よこ豆、後述するタヒーニなどを原料に、やわらかいペースト状にしてパンなどに付けて食べます。バターやジャムのような立ち位置の料理です。

タヒーニ

タヒーニも中東地域全体に共通する料理で、フムスとともに国民食化しています。

ゴマのクリームのようなもので、サラダなどにかけるソースにもできる料理です。ゴマをペースト状にしてオリーブオイル、レモン、水などを混ぜてできます。イスラエルに行けばタヒーニが最も口にする食べ物になるでしょう。

ファラフェル

ファラフェルも中東共通の料理で、コロッケのような揚げ物料理です。

原料は豆と香辛料です。形はコロッケより小さく、気軽につまんでおやつのように食べられる料理です。屋台でよく売られており、子供もよく食べています。

ラム肉のケパブ

羊の肉を使ったケパブです。中東共通の料理で、かなりの量の香辛料が使われています。ハンバーグのような形式で出す店もあります。

ニシンのピクルス

ロシアや東欧で見られる料理で、その地で生まれたユダヤ人がもたらした魚料理です。

鯖、たらこなど、日本でも見られる魚料理もありますが、イスラエルではおよそ魚料理のあるところにニシンのピクルスありといわれています。

現在のユダヤ人の出身地で一番多いのはロシアや東欧地方だからです。

タブーリとファトゥーシュ

イスラエルの国民的野菜料理です。

タブーリはパセリ料理です。タマネギやミントなどと混ぜられて食べられています。ファトゥーシュは刻んだサラダの上に乾燥したパンの皮やチーズを散らしたものです。

どちらもシリアやレバノン発祥と言われています。

イスラエルワイン

イスラエルは古代からぶどうの生産が盛んで、ユダヤ教の聖典である旧約聖書ではぶどう畑が富の象徴として描かれ、ぶどう酒は神に捧げる神聖な飲み物でもありました。

その伝統を受け継いで、イスラエルでは国を挙げてワインの生産に力を入れ、ブランド作りに熱心になっています。

オリーブの漬け物

オリーブの漬け物とは地中海共通の料理ですが、イスラエルでは古代イスラエルからつづく民族的料理です。

オリーブオイルはイスラエル料理なら必ず使われる調味料です。

世界中の食文化が集まって生まれた料理

イスラエル料理は中東諸国、地中海の食文化に加えてユダヤ人がもたらした世界中の食文化が集まって生まれた料理ジャンルです。

その定義はいまだに明確に定まっていませんが、これらさまざまな文化の料理が一つの国のもとで食べられるというのがイスラエル料理の何よりの特徴でしょう。

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