「レバノンの料理」古代の料理の流れを現在まで汲む

レバノン料理

レバノン料理の概要

レバノン料理は、中東諸国やトルコ料理の影響を多分に受けていますが、特に野菜を多用した料理の多さが特徴です。

もちろん完全に野菜のみと言うわけではなく穀物、果物、新鮮な魚介類を使った料理も多くあります。

肉類も食べられており、羊やヤギの肉が多く用いられます。

特に平地は羊、山間部はヤギと言う傾向がありますが、近年は交通機関の発達でそこまで極端なものではなくなりつつあります。

また、多くのにんにくやオリーブオイルを用いることやレモンジュースで味を調えます。

よく知られている料理には、炭火焼きナスのディップ、ババガヌージがあります。

これは後述しますが、レバノン料理の特徴をあらわしたものと言えます。

古代の料理の流れ

そんなレバノン料理は古い歴史を持っており、キプロス、ヨルダン、レバノン、イスラエル、イラク、パレスチナ、シリア、エジプト、およびトルコ南部のアダナ、ガジアンテプ、アンタキヤ付近でその存在が確認されているレバンティン料理と呼ばれる古代の料理の流れを持っています。

その流れはローマやフェニキアの配の時代まで何千年も遡ることができます。

中世から近世にかけてはオスマントルコの支配をうけ、子羊の料理などが伝わり、レバノン料理に強い影響を受けたのち、第一次世界大戦後はフランスの支配に変わり、フランス料理のクロワッサンやカスタードのデザートなどもレバノン料理に入りました。

オリーブオイル

全体の特徴として多くの料理がオリーブオイルによって料理されています。

例えばグリルやソテーと言った調理法や野菜などにかけられたりもします。

バターやクリームも使われますが、基本的に一部のデザートに使われるのみで、基本的に調理に用いるオイルと言えばオリーブオイルと言うのがレバノン料理です。

野菜は生のまま、漬物としても食べられており、グリルされることもあります。

生のまま食べるというのは日本では当たり前ですが、海外では少数派です。

また、中華料理等に用いるような春雨状のライスヌードルがもちいられるのも特徴です。

アルコールもイスラム教国ではありますが飲まれることがあり、レバノンビール、アニスの香りがするアラックなどのアルコール飲料やカフウイ(コーヒー、直接煮立てて上澄みのみを飲む)、ラハンと呼ばれるヨーグルトドリンクも飲まれています。

また、果物やマーワルド(ローズウォーター)のシロップを氷水で薄めた飲み物のシャルバートも有名です。

よく使われる食材

よく使われる食材として、タヒーニ、ブルグール、キシュク、フィロ、スンマーク、ザアタル、ディプス、ディプス・ルンマーン、バターレフ、マーザヒル、マーワルドと言った独特のものや日本の夏野菜の様な多くの野菜、レンズ豆やひよこ豆などの豆類、ナッツなどがあります。

タヒーニ

独特な材料の解説をしていくと、タヒーニはゴマの調味料です。ディップとして利用したり、ドレッシング、ソースなど日本のしょうゆのように使われます。
ブルグールはゆでた小麦を乾燥して細かく挽いたもので炊いたり、料理に混ぜ込んで使います。

キシュク

キシュクは乳製品のパウダーです。

ヨーグルトと先ほど紹介した小麦の粉であるブルグールを混ぜて発酵させ、日干しした後に粉にしたものになります。

とろみをつけたり、かゆにしたり、サラダにかけるなど粉チーズの様な使い方をする料理です。

フィロ

フィロはレバノン風の非常に薄いパイ生地のことで、菓子作りにも用いられています。

スンマークはウルシ(漆)の一種であるRhus coriariaの実の粉末で、日本の赤しそのふりかけに似た風味があり、調味料として使われています。

ザアタル

ザアタルはオレガノ、スンマーク、タイム、炒った白胡麻、塩などを混ぜた調味料でオリーブオイルとパンにつけて食べます。

ディブス・ルンマーン

ディブス・ルンマーンはザクロのソースです。野菜にかけたり、煮込み料理に入れたりします。

バターレフ

バターレフはレバノン風のカラスミになります。

日本の食べ方に似ていて薄く切ってからパンのお供やおつまみのように食べます。

マーザヒルはオレンジの花を蒸留して得る香水の様な液体で、香り付けとして用いられます。

マーワルド

マーワルドはローズウォーターで、これも香り付けなどに用いられます。

中東エリアはこのローズウォーターを調味料のように使うのが特徴で、レバノン料理も例にもれず、料理に用います。

代表的なレバノン料理

レバノン料理は野菜料理、肉料理、卵料理、パン、デザートなどがあります。

野菜料理は、冒頭でお話ししたババガヌージがあります。これはレバノン料理の前菜で用いられるもので、マッシュしたナスにゴマ調味料のタヒーニ、レモンジュース、オリーブオイルやスパイスを混ぜたもので、玉ねぎなどを混ぜることもあります。

ファラーフェル

ファラーフェルはヒヨコマメのコロッケです。

日本のコロッケのような外見とは異なり、パン粉をあまり使わないので、揚げ団子の様な雰囲気です。

ムサッカア

ムサッカアはナスやズッキーニを使ったグラタンに似た料理で肉やベシャメルソースの代わりひよこ豆のペーストを用いることがあります。

この他、揚げナスや揚げカリフラワーなどもあります。

イッジ

卵の料理はキッシュに似たイッジがあります。これはハーブやカリフラワー、ズッキーニ、羊の脳などを混ぜて焼いた料理です。

肉料理

肉料理は、細かく刻んだ肉とブルガを混ぜたタルタルステーキ、ケバブ、ミートボールの様なカフタ、挽肉のパイのようなスフィーハ、ドルマはトマト、コショウ、タマネギ、ズッキーニ、ナス、ニンニク、キャベツなどをぶどうの葉や米を混ぜたりする料理です。

パン

パンはピタパンに似たクマージュ、ピザの様なマルクーク、厚みのあるトラミ、極薄のサージュ、リング状のパン(カアク)があります。欧州にも似たパンはありますが、カアクは独特です。

このほかマナエシュはチーズ、ザアタール、さいの目に切ったトマトをパンの上にかけて焼いたマルゲリータピザの様なパンもあります。

デザート

デザートは、薄いパンケーキのような形をしたカターイフ、オレンジフラワーウォーターやローズウォーターで香りをつけ、ナッツをふりかけて食べるプリンのムハッラビーイ、デーツやナッツを詰めたショートブレッドのようなマアムール、レバノンアイスクリームはトルコアイスの様なものに乾燥アプリコットから作られたアマルエルディン、新鮮な果物、ピスタチオをふりかけて食べます。

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