「リトアニアの料理」寒さが厳しく湿潤という北国の気候に合った食材が使われます。

リトアニア料理

リトアニア料理の概要

リトアニアは、東ヨーロッパに位置する共和制国家です。エストニア・ラトビアと並んでバルト三国と呼ばれるうちの一つであり、国の西側がバルト海に面しています。

国土のほとんどは農地と森林で湖も多く、穏やかなヨーロッパの小田舎、といったイメージですね。

「リトアニア」という国名は「雨の国」という意味なのですが、その名の通り東京に比べて雨の日が多いのも特徴です。

そんなリトアニアで食べられている料理は、寒さが厳しく湿潤という北国の気候に合った食材が主に使われています。

雨の日が多いので、日照時間が短くても育つ作物が多く生産されており、郷土食も自然とそれらの食材を使った料理になるわけです。酪農も盛んなので、チーズやヨーグルトなどの乳製品も特産物の一つになります。

また秋になるとベリー類を森で採り、コンポートやジャムにして保存しておきます。
夏から秋にかけて収穫した農産物や肉の燻製を保存して、長く厳しい冬に備えるというのは、北国リトアニアの食文化の特徴です。

歴史的に見ると、13世紀頃からドイツ騎士団と闘いながら領地を拡大し、14世紀にはリトアニア大公国として東欧の広い範囲を支配していました。

そのため、ポーランドやウクライナ、ハンガリー、ドイツなどと共通する食文化も存在します。またロシアの支配を受けていた時期もあった為、その影響も多く残っています。

リトアニア料理でよく使われる食材

じゃがいも

リトアニア料理の食材といえば、まずは何といってもじゃがいもです。

リトアニアにおけるじゃがいもの歴史は意外と浅く、リトアニアに渡ってきたのは18世紀後半に入ってからでした。調理法もたくさんあり、ゆでたり焼いたり炒めたりレシピによって様々です。

はちみつ

リトアニアはヨーロッパでも屈指の養蜂大国であり、森と湖に囲まれたきれいな環境で生まれるリトアニアのはちみつは非常に高品質で、世界中で愛されています。

リトアニアでは、はちみつはそのまま食べるのはもちろんキャンドルや石鹸の材料としても幅広く利用されています。

はちみつの加工品として最も有名なのが「ミード」と呼ばれるリキュールです。これははちみつを発酵させて作る醸造酒で国家遺産にも指定されており、リトアニア土産として空港などでも買うことが出来ます。

豚肉

鴨やウサギ、ガチョウといったジビエも食べられていますが、リトアニアの肉料理で一番よく登場するのは豚肉です。過去に周辺国との紛争が絶えなかったこともあり、肉を加工・保存して食べる食文化は今でも強く残っています。

豚肉の加工・保存法としては燻製にするというのがもっともポピュラーで、ハムや穀物入りのソーセージなどはリトアニアの国民食です。

乳製品

リトアニア料理の陰の主役とも言えるのが、バターやチーズ、サワークリームなどの乳製品です。中でもサワークリームは肉・魚のメインディッシュと一緒に食べるだけでなく、ソースにしたりスープに入れたりサラダに混ぜたりデザートのケーキに添えることもあります。

とても濃厚なリトアニアのサワークリームは、リトアニアの食卓には欠かせないものだと言えます。

代表的なリトアニアの料理

ツェペリナイ

ツェペリナイは日本ではあまりなじみがない料理ですが、リトアニアの代表的なじゃがいも料理です。

すりおろしたじゃがいもで羊や牛のひき肉だねを包みゆでる、というなかなか凝った調理法からも、リトアニアのじゃがいも料理がいかにバラエティに富んでいるかが分かりますね。
これはきのこのソースで食べることが多いです。

もちもちした独特の皮は、日本で食べるじゃがいも料理のイメージとは全く違っていますが、日本人にも食べやすい優しい味わいです。

ボルシチ(ビーツのスープ)

ボルシチはロシアの郷土料理のイメージですが、同じものがリトアニアにもあります。

ビーツという赤いカブを具として入れるので、スープは美しく濃いピンク色です。このビーツも、じゃがいもと同様リトアニアで広く栽培されており、スープ以外にもメインディッシュの付け合わせとして出されたり、漬物にしたりします。

家庭ごとにレシピは異なりますが、このスープにきのこを入れたりサワークリームやバターミルクを加える場合もあります。冷製に仕立ててもとてもおいしいですよ。

ルギネドゥオナ(黒パン)

リトアニアでパンというと、普通はこの黒いライ麦パンのことを指します。見た目は濃い茶色で、日本で一般的な白いパンに比べてみっちりした食感が特徴です。また独特の酸味もあります。

リトアニアではこの黒パンにバターやチーズをのせて食べることが多いです。日本のサンドイッチのようにレタスやハムのような具材をあれこれのせずに、シンプルに食べるのがリトアニア流ですね。

シュニッツェル(カツレツ)

肉にパン粉をまぶして焼いたものがシュニッツェルです。

豚肉で作られることが多いので、ちょうど日本のトンカツとよく似ていますが、トンカツよりも衣が薄めでカリッとしているのがリトアニア風になります。メインディッシュとして供される時は、ゆでたじゃがいもやサワークリームが添えられていることが多いです。

シャコティス(リトアニア風バームクーヘン)

シャコティスはバームクーヘンの起源とも言われているリトアニアの伝統的なケーキです。

バームクーヘンと違うのは、ケーキの土台部分から無数に枝状の突起が出ているところで、その形から「Tree Cake」と呼ばれることもあります。

リトアニアでは、クリスマスや結婚式に登場することが多く、その際はアイシングやチョコレートでデコレーションされたものが好んで食べられています。

ブリナイ(じゃがいものお焼き)

ブリナイはすりおろしたじゃがいもの生地を焼いた、クレープとパンケーキの中間といった食べ物です。家庭によってカリカリにしたりふわふわにしたりありますが、こちらもサワークリームが欠かせません。

肉そぼろを具として巻く時もあり、リトアニアの人にとってはデザートというより軽食に近い感覚で食べられています。

最後に

リトアニアの料理には、長く厳しい冬に豊かな食生活を楽しむための知恵がたくさん詰まっています北欧やロシアと文化を共有しながらも、限られた食材からたくさんのメニューを生み出すアイデアは、リトアニアらしさと言えるかもしれません。

使われている食材自体は日本のスーパーなどで簡単に買えるものが多いので、ぜひ一度リトアニア料理に挑戦してみてくださいね。

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