ルワンダ料理の概要
東アフリカにある小さな国、ルワンダ共和国。
コンゴ民主共和国とウガンダ、タンザニア、ブルンジに囲まれた内陸国です。そんなルワンダは「千の丘の国」とも呼ばれているほど山や丘が多く、平地が極端に少ない国です。
また、1994年に発生したルワンダ虐殺から長い月日が経った現在でも、国内の治安は安定しておらずインフラの整備も進んでいないのがルワンダの現状です。
そんなルワンダには、「これぞルワンダを代表する料理!」と呼べるようなものがほとんどありません。
インフラが整っていないルワンダでは、料理ができる環境ももちろん整備されていないというのがその一因となっています。そのため、ルワンダで食べることができるのは質素な料理が大半です。
ルワンダ人の主食は、米のほか、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、調理用のプランテーンバナナ、後程説明する「ウガリ」などです。
それらの主食の上に、おかずをかけて食べるのがルワンダでは一般的です。おかずはチキンや牛肉などを使ったシンプルなものがメインです。
■よく使われる食材
米
ルワンダで米が食べられるようになったのは比較的最近のことなのですが、今では主食として欠かせない食材のひとつに数えられます。
米は日本のものとはかなり異なっており、水分や粘りはほとんどありません。ぱさぱさとしているのが特徴です。炊いて食べるほか、スープで炊いたり、ピラフにしたりすることもあります。
イモ類
ジャガイモやサツマイモ、キャッサバイモなどのイモ類もルワンダではよく使われています。
イモ類はローストしてそのまま食べたり、マッシュポテトなどにして供されます。また、キャッサバイモは葉の部分も食べられています。
プランテーンバナナ
プランテーンバナナとは、調理用のバナナのことです。甘みはなく、ほくほくとしたジャガイモのような味わいです。
ルワンダでは「イビトチ」や「マトケ」と呼ばれており、焼いたり茹でたりして食べられます。
トウモロコシ
トウモロコシは、ルワンダでは粉にして使うことが多い食材です。
ピーナッツなどの豆類
ピーナッツなどの豆類もルワンダ料理には欠かせない食材のひとつです。煮込み料理などのおかずのソースに使われるのが一般的です。
肉類
肉料理にはチキンがメインに使われています。チキンほどではありませんが、牛肉も使われます。ヤギの肉が食べられている地方もあります。
テラピア
ルワンダは内陸国ですので、魚料理はほとんどありません。ただし、川魚であるテラピアはルワンダは料理に使われています。
タマネギ、ナス、ニンジン、アボカドなどの野菜
ルワンダ料理によく使われる野菜は、タマネギやナス、ニンジン、アボカドなどです。
代表的なルワンダの料理
ウガリ
冒頭でもご紹介したウガリは、ルワンダ人の主食のひとつです。
ウガリとは、トウモロコシなどの穀物の粉を材料にしたもので、粉とお湯を合わせ練り上げて作ります。キャッサバイモを粉状にしたものを材料に使う場合もあります。
日本で言う、おからのようなぽろぽろとした食感です。味はほとんどありませんので、おかずをソースにして食べます。
ピラフ
スープを使って炊いて作るピラフも、ルワンダではよく食べられています。
オートミール粥
ルワンダの朝ごはんとしてよく食べられているのが、オートミールのお粥です。ミルクを入れて食べるのが一般的です。
ブロシェット
ブロシェットは、牛肉やヤギ肉などを使ったシンプルな串焼きです。ルワンダ現地では「ムシカキ」とも呼ばれています。
イモ類やプランテーンバナナ、テラピアなどを串にさして焼いたものを指す場合もあります。
サモサ
サモサはもともとインドで生まれた料理ですが、ルワンダでもよく食べられています。日本国内でも食べられるレストランが増えてきているので、ご存じの方も少なくないでしょう。
小麦粉で作った生地の中にミンチやジャガイモ、タマネギや豆類、スパイスなどを入れ、揚げて作る料理です。一般的には、チャツネ(フルーツや野菜などを使ったソース)などをつけて食べます。
トマトベースのシチュー
ルワンダではシチューなどの煮込み料理も多く見られますが、大抵はトマトベースです。
肉や魚、野菜などを煮こんで作ります。
インゲンマメ炒め
インゲンマメとニンジンなどをシンプルに炒めた料理です。
ミズズ
ミズズは、ルワンダでよく食べられているプランテーンバナナをフライにした料理です。
ジャガイモのような、ほくほくとした食感が特徴的です。
甘みはありませんが、ほのかにバナナ特有の香りを感じられる料理です。
イフィリティ
イフィリティは、ルワンダのフライドポテトのような料理です。ジャガイモはもちろん、サツマイモやキャッサバイモなどを使うこともあります。
ウムットシマ
ウムットシマは、キャッサバイモとトウモロコシを使ったシンプルな料理です。ルワンダの家庭では頻繁に食べられているもので、ルワンダを代表するもののひとつです。
イソンベ
イソンベもウムットシマ同様、ルワンダでは有名な料理のひとつです。キャッサバイモの葉やナス、ホウレンソウなどを煮てつくるものです。
ウムヒゲ
調理用のプランテーンバナナを蒸した後に、マッシュポテトのような形状になるまで潰した料理です。バナナ特有の粘り気があるのが特徴です。
イソシ・ウブニャブワァ
イソシ・ウブニャブワァは、ピーナッツを煮込んでつくるソースの一種です。主にチキンの煮込みなどの肉料理に使われています。
ピーナッツの風味はそこまでなく、豊かなコクを感じられるルワンダならではのソースです。米に直接かけて食べることもあります。
豆類のトマト煮
インゲンマメやピーナッツなどの豆類の煮物もルワンダではよく食べられています。
こちらも、シチューなどと同じくやはりトマトベースのソースで煮込むことが多くなっています。
アマンダージ
アマンダージは、ルワンダでは数少ないデザートのひとつです。小麦粉生地をボール状に丸め、揚げたものです。甘みは控えめですが、大人気です。
コメント