「上海料理」醤油を使った甘辛く濃厚な味付けの料理が豊富

アジア料理

上海料理の概要

四大中華料理のひとつである上海料理は、アジアで最大級の面積を誇る中国大陸の上海地方を中心に親しまれていて、中国料理の江蘇料理〈淮揚料理〉の菜系に含まれる代表的な郷土料理です。

中国料理は、3000年以上という奥深い歴史があり「薬食同源の精神」「多種の調味料や香辛料、油脂やでんぷんをふんだんに使う」「食材を無駄なく使う」「栄養、味、衛生において合理的な高温で短時間で加熱調理」「調理器具や食器が少ない」「料理は大皿に盛り付け各自で取り分ける」という特徴を持っています。

味付けは、醤油の特産地ということもあって甘辛く濃厚な味付けの料理が豊富なのも特徴のひとつです。

魚米之郷

上海は中国有数の商業都市でこの付近は昔から『魚米之郷』と呼ばれていて、魚介類と農産物が豊富なことで知られています。

湖沼が多く、また東シナ海も近いことから魚やカニ、エビなども豊富に獲れることでも有名です。また中国有数の米作地帯でもあることから、お酒やお酢などの調味料も数多く作られています。

上海といえば『上海蟹』

上海といえば『上海蟹』ですが、このカニは淡水に住むカニで淡水魚とともに豊富に獲れ、上海料理になくてはならない食材です

味付けは、酒や醤油、黒酢などをたくさん使うため、甘く濃厚でコクがあるのが特徴です。この味付けがあの有名な紹興酒にとてもよく合うといわれています。

上海はその紹興酒の産地としても有名です。

外国の占領下におかれていたこともあり、それらの影響を受けて伝統的な地元の味にヨーロッパなどの外国の新しいテイストを加味しアレンジされた料理が多くみられます。

よく使われる食材

上海料理に欠かせない食材はやはり近くの海や川で獲れる新鮮な魚介類です。

また、米をはじめとして季節の農産物にも恵まれ、その温暖な季節にふさわしく穏やかな味付けが特徴です。

鎮江産の酢が新鮮な魚介類をまろやかな酸味の効いた味に仕上げます。

他にもこってりと煮込む〈紅焼〉の醤油味も有名で、かくし味として紹興酒も使われたりします。

上海料理の源流は、江蘇省の蘇州や揚州で食べられている江蘇料理や浙江省の寧波や杭州の浙江料理です。

長江の河口に近いという土地柄を生かし江蘇料理の流れを組んで、酒・酒粕・醤油・黒酢などの醸造品や、砂糖・麦芽糖を多用するため、甘く濃厚な味付けが特徴です。

また、寧波料理の海鮮料理や長江、太湖などの淡水産の食材もたくさん使われます。

代表的な上海料理

「小籠包」

「小籠包」は、北宋時に当時河南王楼の『山洞梅花包子』が小籠包の原型とされていて、靖康事変以降中国の南部地域に広がったとされています。

小籠包は上海・常州・無錫・蘇州・杭州・南京・江西地域で有名な点心のひとつで、世界各地の中華料理店で食べられているほど有名で人気があります。

具材には豚のひき肉を使い、薄力粉で作った皮で包み蒸籠で蒸した料理です。

一つ一つの大きさは肉まんよりかなり小さく、薄い皮の中に具と豚肉を煮込んだ際に出たスープが包まれています。そのアツアツでたっぷりのスープとお肉のうまみを楽しみます。

生煎饅頭

「生煎饅頭」は小籠包と同じくらいの大きさで焼き小籠包とも呼ばれています。

見た目が日本の名物であるおやきと似ています。100年以上の歴史のある料理で、冷えてしまった肉まんを焼いて温め直したのが始まりと言われています。

酵母で発酵させた小麦粉の皮でひき肉や野菜を混ぜた具を包み、『平鍋』と呼ばれる大きなフライパンのような調理器具にぎっしり詰めて蒸し焼きにします。

焼き餃子のようにカリッとした食感があり焦げ目が香ばしく、噛むとうま味たっぷりの肉汁があふれてきて独特の風味が楽しめます。お好みでショウガや黒酢、醤油、ラー油などの調味料で味に変化をつけて楽しめるのも特徴です。

八宝菜

「八宝菜」は、五目うま煮とも呼ばれていて、もともとは広東料理です。『八』は『8種類の』ではなくて『たくさんの』という意味です。

使うのは、豚肉・ハムなどの肉類、エビ・イカ・などの魚介類、シイタケ・キクラゲ・タケノコ・ニンジン・ピーマン・白菜・タマネギ・チンゲンサイなどたっぷりの野菜類、ウズラの卵など多種類の具材で、これを塩・醤油・黄酒・化学調味料などで味を調えて軽く煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつけていただきます。

糟鶏(そうけい)

「糟鶏(そうけい)」は、上海の代表的な冷菜でナズナ・エノキ・豆腐・マッシュルーム・赤ピーマン・香菜・豚肉・鶏肉と紹興酒を使った料理です。

鶏のお腹にショウガや葱、シイタケを詰めて茹でてクコの実と一緒に茹で汁と紹興酒で一週間ほど漬けて完成です。

ほどよく脂肪分が抜けて透き通ったゼラチン質の皮はとても美味です。鶏肉のうま味が凝縮されていてお酒にもよく合います。

上海炒麺

「上海炒麺」は、上海のやきそばです。

日本のやきそばとは違ってうどんよりは細く、そばよりは太いモチモチ麺をチンゲンサイに似た『鶏毛菜』と一緒に炒めて中国醤油で味付けしたものです。

中国醤油には老柚と生柚の2種類があって一般的にトロっとしていて深い味わいの老柚が使われます。こちらもお酒によく合うので一緒にいただきたい料理です。

上海市内のいたるところで食べられる庶民の料理です。見た目色は濃いですが塩味は薄くて、そのうえ砂糖が加えられているので甘めなのが特徴です。

湯圓

「湯圓」は、上海の白玉団子のようなアツアツなデザートです。

日本でおなじみの杏仁豆腐やマンゴープリンは香港や台湾が本場なので、上海のデザートと聞いてピンとくる人は少ないのではないでしょうか。

特徴は温かいこと、小豆餡や胡麻、酒粕といった我々日本人にもなじみのある食材を使うことです。

それらを入れたお餅を茹でていただくアツアツの伝統的なデザートです。

一見白玉団子のようですが、食感はやわらかくて中の餡もトロトロです。

元宵節〈春節後、ランタンフェスタが行われる日〉に食べられるものとして知られていて、冬になると地元の人たちは体を温めるために専門店に行列を作ります。

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