「シンガポールの料理」移民がもたらしたニョニャ料理の食文化

シンガポール料理

シンガポール料理の概要

シンガポールは多民族国家で、国土の75%が中国をルーツとした華人系の人々が占めます。

中国南部の福建や海南島を出身とする人々が多く、その地方の料理が多く持ち込まれてきました。台湾海峡を挟んで台湾と向かい合っている福建は、海岸線が長く島も多いので漁業が盛んな土地柄です。

その為、魚などの乾物で出汁をとった料理が多く、深い味わいを楽しめるのが特徴です。また、ニンニクを使う機会が多い為、香りだけで食欲が刺激される料理も多いと言えます。

シンガポール料理というカテゴリーは無い

では、シンガポール料理がどんな料理かというと、その定義はとても難しく一概には言えません。あえて答えるならば「シンガポール料理というカテゴリーは無い」と答えるしかありません。

その理由として、シンガポールの建国の歴史が浅いことが挙げられます。1965年8月9日に建国したシンガポールは、独立してからまだ54年しか経っておらず、まだまだ新しい国なのです。

自他共に認めるシンガポール独自の料理というものは、発展途上にあると言えるでしょう

移民がもたらしたシンガポールの食文化

また、シンガポールという一つの国の中でその食文化もマレーシアやインドなど周辺地域から来た移民がもたらした要素が主となっています。

中でもシンガポール国民の75%を占めてる中国系移民からは、この国の食文化に大きく影響を受けたと言えるでしょう。

ニョニャ料理

ここからマレー料理に中華系のテイストを加えた新しい食文化が生まれ、今も「ニョニャ料理」というものがシンガポールの国民食して親しまれているのです。

定番の料理にはチリソースがふんだんに使われた旨辛い料理や漢方をベースとした料理が多く、ココナッツミルクや黒糖を使ったスイーツも人気があります。

また、シンガポールという国は勉強・学歴を重んじる国で、そのことは男性だけでなく、女性にも広く推奨されてきたため、女性のほとんどが職に就いています。

男女ともに多忙な毎日を送っているので家庭で料理をする習慣がなく、そのほとんどを外食で済ませているのも特徴の一つです。

よく使われる食材

シンガポールは、国土面積が約724.2㎢と狭い為、食材のほとんどを輸入に頼っています。

また、多民族国家であるため、国民は中華系が75%、マレー系が13%、インド系が9%なのをはじめ、その他様々な民族で構成されています。そのため宗教も多岐にわたり、食べられる食材も違ってきます。

宗教と民族により食べるものが違う。

例えばイスラム教徒は豚肉を食べませんし、ヒンズー教徒は牛肉を食べません。つまり食生活や習慣が、信仰している宗教によって異なるため統一された国民食が育ちにくいのです。

それぞれの文化が色濃く反映された地域があり、異なる民族や文化間は融合されいないので、同じシンガポール国民として生活を共にしながらも別々の文化や生活様式をまもり続けているのです。

このように民族による食文化の違いは主に4つの系統に分類できます。

中華料理

『中華料理』は、一口に言っても中国のどの地域の料理なのかによって味に違いが出てきます。主なものでは「広東料理」「四川料理」「上海料理」「北京料理」で、味付けはシンガポール人の口にあうように調整されています。また、飲茶を提供しているレストランもあります。

マレー料理

『マレー料理』は、ココナッツミルクとサンバルを使うのが特徴です。サンバルとは、トウガラシやニンニクなどをトマトのペーストに混ぜたものに、海老を発酵させたトラシと呼ばれる魚醤を混ぜた調味料です。代表的な料理にはナシゴレン、ラクサなどでその他お肉を柔らかく煮込んだ料理もあります。

インド料理

『インド料理』といばカレーですが、北のインド料理はそれほど辛くなくエビやトマトを使用します。南のインド料理は野菜中心の料理で肉はほとんど使わず、香辛料を沢山使います。

【代表的なシンガポール料理】

チリクラブ

「チリクラブ」は、シンガポールを訪れたら必ず食べたい料理として観光客から必ず名前が挙がる料理です。

カニを丸ごと茹でてチリソースをかけた豪快な料理で、チリソースのうまさとカニの新鮮さで味が決まるシンプルながら奥の深い料理です。

チリクラブに使われるカニは、味も大きさも抜群なスリランカ産が一般的です。カニを食べ終わったら残ったチリソースを中国のパン、マントウにつけて食べるのが主流です。

その他、黒コショウが効いた味付けが特徴のブラックペッパークラブも人気があります。

チキンライス

「チキンライス」は、シンガポールを代表する料理としてチリクラブと肩を並べるほどの人気料理です。

ケチャップを使う日本のチキンライスとは違い、鶏肉を丸ごと茹でてその茹で汁とショウガ、ニンニクで炊いたご飯と共に食べる料理で鶏肉に香辛料をつける食べ方もあります。

中国南部の海南島からの移住者が伝えたとされ、今ではレストランでもホーカーでもチキンライスを提供しています。

バクテー

「バクテー」は、豚のアバラ肉をニンニクやスパイスと一緒に煮た鍋料理で、シンガポールではファーストフードとして親しまれています。

じっくりと煮込まれた豚肉はホロホロと柔らかく、程よいスパイスの風味で食欲を刺激します。スープには中国醤油がベースのものと胡椒を効かせた透明のものがあり、豚肉のうま味深い味わいを楽しめます。

ヨンタオフー

「ヨンタオフー」は、魚のすり身を挟んだ豆腐やフィッシュボール、揚げ物や野菜の中にすり身を挟んだものなど、店頭に並んだ具材をお椀に入れて店員さんに湯がいてもらって食べます。

日本でいうおでんによく似た客家料理です。お昼時にホーカーズやフードコートに行くとヨタオフーのお店の前にはいつも行列ができています。

彩りが鮮やかで、お椀にはスープと一緒に麺を入れて食べるのが一般的です。出汁の効いたスープはあっさりしていて、日本人にも好まれます。

ヤカトースト

「ヤカトースト」は、炭火でカリカリに焼いた薄いパンにカヤジャムとバターを塗ったシンガポール朝食の手番メニューで、ジャムのまろやかな風味がクセになるおいしさです。

雪花氷

「雪花氷」は、シンガポール・チャイナタウで食べられる日本人に人気のかき氷です。

淡雪のようにフワッとした口どけで、暑いシンガポールを散策しながら食べるのにもってこいです。他にも地元の人達に人気の広東流のおしるこやアーモンドの香りが華やかな白いおしるこ「生磨杏仁糊」や黒ゴマを使用した「芝胡麻」が有名です。

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