「シリアの料理」貿易によって流入した様々な食文化が融合

シリア料理

シリア料理の概要

シリア料理は沿岸の地中海の気候や宗教の影響を強く受けた料理となっています。

主にナス、ズッキーニ、ニンニク、肉(主に子羊と羊)、ゴマ、米、ヒヨコマメ、ソラマメ、レンズ豆、キャベツ、カリフラワー、つるの葉、カブの漬物、きゅうり、トマト、オリーブ油、レモン汁を使用した料理で野菜と肉と中心としたものです。

また、ミントやピスタチオと言ったナッツ類、はちみつや果物も多用されます。

シリア料理の歴史

その歴史は古く、ローマ時代にまでさかのぼります。

ローマ帝国の影響を受けたローマ料理がシリア料理の原型となっており、パン、肉、ビールなどが伝わりました。

その後、オリーブオイル、ワインと言ったフェニキアの影響、ユダヤ教の影響、そして現代に直接つながるイスラム教の影響を受けて発展してきた料理です。

トルコや欧州の料理からの影響

また、トルコ料理をイメージさせるような料理も食されており、ケバブなどもシリア料理の一つとして食卓に出されます(フライドポテトやタマネギのロースト、ひよこ豆を茹でてブレンダーで潰したマッシュ状のものが付け合わせとして出される)。

これら以外にも屋台料理も発達しており、アイスクリームや揚げ物を中心としたホットスナックがあり、ケバブも出されることがあります。

また、デザートはアプリコットを使ったものも多いです。

この他、欧州の影響もあることからチーズも充実しており、牛乳や羊の乳を使い様々な製法によって作られています。

このようにシリアはトルコやイラク、ヨルダン、レバノン、イスラエルと国境を接し、国内には砂漠と山岳地帯とともに、南部に肥沃な大地が広がっている国のため、様々な影響を受けて複雑な料理になっています。

かつてエジプトとメソポタミア、地中海地域を結ぶ交通の要所として栄え、世界最古の都市のひとつといわれる首都ダマスカスをはじめ、パルミラやアレッポといった世界遺産に登録された遺跡が点在するエリアでもあるため、貿易によって流入した様々な食文化が融合し、存在していると言えるのです。

よく使われる食材

シリア料理でよく使われるものとして、小麦、米、肉、野菜、豆、そしてチーズなどの乳製品です。

小麦

小麦は主食であるライ麦のパンなどに使われるほか、ブルガーというひきわり小麦と呼ばれる小麦を加工した穀物を用いてラムのひき肉を混ぜて油で揚げるものもあります。

米はインディカ米で、日本のようにもちもちしたものではなくぱさぱさしたものとなっています。

肉は主に羊肉が用いられます精肉したものを焼いたり、ひき肉にして揚げたりする方法で食べられます。

また、鶏肉も多少食べられています。

野菜

野菜はパセリ、トマトなどがサラダに使われるほか、ピーマン、ズッキーニ、ナスなどの野菜は肉詰めにされます。

特にパセリは非常によく食べられており、キャベツのように刻んだものを山盛りのサラダのメインに据えることも珍しくはありません。

また、野菜とはやや異なりますがミントをたくさん使っており、ミントの葉を葉物野菜のように使うこともあります。この他玉ねぎなども刻んでサラダにします。

豆はこのエリアでよく用いられるひよこ豆、ソラマメが代表的です。

これらはマッシュ状にしてそのまま食べられたリ、揚げたりしてシリア料理として出されることが多いです。

チーズ

チーズなどの乳製品は充実しています。

ヨーグルトとサワークリームの中間的なギリシャヨーグルトを思わせるようなものも多くあります。

チーズは多彩です。

ざっと紹介していくと、牛乳の他ヤギや羊の乳で作った白いアッカウィと呼ばれるもの、柔らかく白く、滑らかで、クリーミーなチーズで、マイルドな風味がありクリームチーズのような使われ方をするバラディ、柔らかく新鮮なチャルカシヤ、ジブネ・アラビエ(アラブチーズの意味)は中東のいたるところで作られるヤギや羊のチーズ、はっきりした塩味のある白いハードチーズであるジブネ・バイダ、非常に新鮮で柔らかいチーズで、簡単に溶けてしまうケナファなどがあります。

このように柔らかいものからハードなものまで、欧州のチーズのラインナップに負けないものが多いですが、カビを生やしたものなどは気候の関係で供されることは少ないです。
これらの材料の他、オリーブオイルが多用されており、様々な料理に用いられています。

代表的なシリア料理

最後に代表的なシリア料理を紹介していきます。

ホムス

まず紹介するのが、朝ごはんの定番であるホムスです。

これはひよこ豆のペーストで料理する1日前に豆を水につけて柔らかくします。バーミヤはオクラと肉とを一緒に炒めて、トマトピューレで味を整えたもので、オクラが主役の料理です。

クッベ

クッベはシリア風の肉団子で、外の皮は、挽き割り小麦と羊の挽肉を混ぜて作ります。

皮の中に肉、玉ねぎ、アーモンドを炒めた具を包み、肉で作った皮に肉を詰め込むという作り方の料理です。

マアムール

シリアの菓子はマアムールが有名で、これはナッツなどをシロップで混ぜた具を小麦粉の皮で包み込んだものとなっています。

ファットゥーシュ・サラダ

先ほどのパセリのサラダ以外に、ファットゥーシュ・サラダはキュウリとトマトを細かく刻んだものに揚げた薄いパンを砕いたものをたくさん入れ、ミントで香りを調整した料理となっています。

そしてドレッシングはザクロのソースを使った甘みのあるサラダです。

ケバブ

この他に代表的なものが度々登場しているケバブです。

このケバブはグリルされた肉と言うシンプルな料理ですが、様々なアレンジがされており、トマトペースト、タマネギ、ピーマン、ザクロの糖蜜から作られたケバブヒンディー、サクランボのソース、子羊または牛肉に唐辛子ペースト、パセリ、ニンニク、松の実を加えたケバブ・カシュカシュなど様々なソースをつけて食べます。

屋台料理

屋台料理で有名なものは弾力のあるトルコアイスのようなブーザ、スライスしたマリネした肉を削り取るブラジルのシュラスコのようなスタイルのシャワルマがあります。

お酒

この他このエリアでは時にお酒が造られることもあります。

これはイスラム教の国としては珍しいことで、アニスの種から作られた、色が透明な蒸留酒のアラ、シリアビール、古代から伝わるワインも知られています。

ドリンク

ソフトドリンクはコーヒー、アプリコットジュース(カマルアルディン)、ランの塊茎から作られたサレップ、塩と水を混ぜたヨーグルトベースの飲料アイランもシリアで飲まれています。

この他地中海の影響でレモネードなどもあります。

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